日本一発信力のあるバーを舞台に展開された、大人の“カッコいい”を追求する恋愛論の議論。バー林伸次さんと、AV界をリードする風雲児、二村ヒトシさんによる会話は、ただの男女の駆け引きを超え、現代社会における大人の恋愛の姿を鮮明に描き出します。今、大人の男性たちにとって「モテる」とはどういう意味を持ち、その恋愛やセックスはどのような価値を持つのか。そんな問いかけに本音で答える様は、同世代の多くの男性にとって、まさに胸に迫る重要なメッセージです。
中年男性の恋愛とセックス—林伸次さんと二村ヒトシさんの対談前編
大人の男性の理想の恋愛観について、バーのマスター林伸次さんとAV界の風雲児、二村ヒトシさんが痛快な対話を繰り広げました。「大人の条件」というテーマにもとづき、二人の言葉は多くのオヤジ層が抱える現代の恋愛パターンへの疑問を凝縮しています。
モテることへの疑問
林さんと二村さんは「モテたい」という中年男性の願望に注目し、当のオヤジ層がこうした願望への挙動を問いかけられることについて言及しました。「モテる」という概念が時代遅れになりつつあることと、社会的にはそれを否定的に見る声が強まっている現況を嘆きつつも、二村さんは自身が「モテていないと死んでしまいそうな生き物」という自覚を語りました。
心の穴理論
二村さんの提唱する「心の穴理論」によれば、すべての人間は愛を求めて行動し、中年男性はその空虚さを女性との関係で満たそうとしているのが一因だと指摘。彼は男性に自身の「セコい承認欲求」に向き合うことが、真のモテる要因になると主張しました。
平等な関係の重要性
恋愛をするならば、お互いの孤独に気づき、互いを尊重する立場であることが重要だと、二人は話し合います。年齢を問わず、偉そうな上下関係が存在する恋愛は避けるべきで、真に恋愛を楽しむためには平等な関係が望ましいと強調しました。
バブル時代からの変化
昭和から平成にかけてのバブル時代には「男が社会を動かしている」という意識が強かった一方で、現代のオヤジたちは社会からその保護を失い、自身の孤独と向き合うという変化を余儀なくされていると二村さんは言及します。
大人の恋愛におけるセックス
恋愛云々を超えて、中年男性も情熱的な恋愛を楽しむことができれば、それがもたらす自己理解を得ることができると二村さんは提案。それは既婚であればなおさらで、パートナーとの再構築された関係を持って、愛の交流を深めることを勧めています。
対談は、オヤジの恋愛観に従来型の疑問符を投じつつ、性別や年齢を超えた新しい恋愛の形を模索しています。今の時代、オヤジたちが持つ独特の恋愛やセックスへの価値観を見直し、その真実に目を向けることで、よりイキのいい大人の恋を実践できるのではないかと林さんと二村さんは総括しています。
大人の恋愛とセックスに迫る—林伸次さんと二村ヒトシさんの対談後編
現代の恋愛とセックスについての議論が、バーのマスターである林伸次さんとAV界の先鋭、二村ヒトシさんの間で展開されました。フェミニズムやポリコレ(政治的正しさ)が台頭する今日の社会が生む新しい恋愛・セックスの形について、二人はオープンかつ率直な意見交換を行い、現代男性の置かれている立場を探りました。
恋愛は“共犯関係”としての魅力
二村さんは、恋愛を一種の“共犯関係”だと見なしていて、これは文字通りの意味ではなく、社会から認められない秘密の行為に対する興奮をさしています。しかし、彼は社会の“モラル”が高まる中で、この“悪”が次第に受け入れられなくなっていくだろうと予測しています。
恋愛とセックスの特権化
林さんと二村さんは共に、恋愛やセックスが一部の特権階級の“趣味”になるという未来を予見しています。具体的には、社会的な態度が変化し、”正しくない”と考えられる性的行為が、エリート層の隠れたレジャーになり得ると述べています。
性的に優秀な男性の”共有化”
現代の動向が続く中で、性的に優秀な男性が、好ましいリア充の女性たちによってこっそりと共有されるようになるかもしれないと二村さんは述べています。この変化は、「すべての男性はキモチワルい」という彼の過去の言葉にも関連しています。
一夫多妻の現代版
二村さんは、現代社会が実質的には時間差で実践されている一夫多妻制に移行しつつあると述べ、このシステムが更に女性の地位の向上とともに進化すると説明しています。これには、経済的自立を果たした女性が、必要とあらば男性を簡単に捨てて、自身で生活を続けていく傾向が含まれます。
新しい時代のギャップと対等な関係
ジェンダーギャップの問題について、二村さんは、セックス中にのみ男女が非対等になり、日常生活では平等であることが理想だと述べています。それにより、セックスをより楽しむことができると彼は信じています。
善悪への新しい視点
二村さんは、現代社会の罪悪感や過剰な正しさを発揮する傾向に挑戦し、変な罪悪感や偉そうになる態度を避けるべきだと主張しています。代わりに、彼と親しい人々と仲良くすることを選びます。
真の大人のモテる条件
最後に、二村さんは大人の条件、真のモテる人とは、自身の欠落や依存性を自覚し、その上で逆ギレしない人であると述べまして、そうした人々との恋愛やセックスこそが真にエロティックだと結論づけています。
終わりに
この緻密な対談で明らかになったのは、男性が無条件で支配的だった時代は過去のものとなり、全体的な社会の動向と個々の恋愛関係の中で新しい形が生まれているということです。それは、フェミニズムとポリコレの風潮が強くなる中で、男女関係が現在とは大きく異なる未来像を描いていることを意味しています。
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